15.最新入手作品ご紹介/白樺派と竹久夢二

このたび入館した竹久夢二の作品日本画2点、復刻版画6点をご紹介します。

白樺派と竹久夢二
叙情の天才画家竹久夢二(1884〜1934 明治17年〜昭和9年)は、岡山県の造り酒屋の長男として生まれ、わずか51歳で没するまで、彼独自のはかなげな哀感と、郷愁の世界を描き続けその生涯を終えた。 彼の活躍の時代は、文学同人雑誌「白樺」の刊行期とも重なり、いわゆる大正ロマン、デモクラシーの時代であった。
代表的白樺文人の1人志賀直哉の1年遅れで夢二は生をうけ、挿絵、版画に始まり、絵画はもちろん、短歌、詩、小説などオールラウンドの活躍をした。
長い鎖国を経て日本近代化の夜明け明治期に、欧米先進国の文化に触れ、当時の若者は大正リベラリズム、デモクラシーと呼ばれる自由主義を志向した白樺派の同人と軌を一にして、早熟の天才夢二も平民新聞に日露戦争の反戦風刺画を掲載するなどで頭角を顕し始めた。 夢二の画家としての名を高らしめたのは、「夢二画集 春の巻」を雑誌「白樺」の出版元である洛陽堂から発売された時とされている。

夢二の画風は、美術学校にも行かず、美術団体にも属さず、自由な立場から、日本画、洋画という枠には捉われていないが、彼の師は洋画の藤島武二であり、兄弟弟子に白樺派唯一の画家有島生馬がいる。 とかく恋多きが故の苦労が絶えなかった夢二を支えたのは、有島生馬(十月亭)であり、彼の強力なよき理解者として、夢二作品の箱書や、墓名碑を書いていることなどからその交友の深さが窺われる。 白樺派文人は小説を始めとする文学で大正時代を表現し、竹久夢二は彼の「叙情画」によって大正時代を描き、今にいたるも多くの人の心をとらえて放さない。
こたび入館した夢二の作品は、肉筆画2点と松永版と呼ばれる竹久夢二絵復刻に生涯をかけた松永安生の版画6点である。

「梅花美人」
彫・摺 松永安生
18/150


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「春」
彫・摺 松永安生
103/150


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「忘れうちわ」
彫・摺 松永安生
74/150


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「りんどう」
彫・摺 松永安生
147/150


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「泣きぼくろ」
彫・摺 松永安生
146/150


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「黒船屋」
彫・摺 松永安生
51/300


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「春過ぎて」


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「星によする」


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