31.第14回面白白樺倶楽部開催報告

2002年7月19日(金) 「有島武郎と志賀直哉」
講師 文教大学教授 江種満子先生

今回から当分、金曜の夜に時間帯を移して開催されることとなりました。
7月の講師としてご講演をいただいたのは、文教大学教授の江種満子先生。先生は、若いころより「白樺派」の研究に情熱を注がれ、この我孫子が「白樺派」ゆかりの地であることから、現在のお住まいもここ我孫子に決められたとのことです。
写真:講演中の江種満子先生
ご講演は、ユーモアも込めつつ、実に歯切れのよいわかりやすさで、大好評を博しました。志賀直哉と有島武郎の年譜を比較しながら、同じ「白樺派」とはいっても、生い立ちや、作風には違いがあること、また、二人がどのように交流し、影響を与え合ったか、といったお話をしていただいたのですが、特に先生のご専門であるフエミニズムの観点からの作品解読には、出席者全員、大いに関心をそそられて聞き入りました。「或る女」の葉子、あるいは、「暗夜行路」の直子、それぞれに、有島や志賀が、意識的にせよ無意識的にせよ、当時新しく生まれ始めていた女性観を投影して描いていることなどを、具体的事例をあげつつ論証していただき、一同納得・・・。
お話が佳境に入らんとするところで時間切れとなってしまい、出席者からは、もし先生のご承諾が得られれば、今後「第二弾」を企画してほしいとの要望も多く寄せられています。
その後の雑談の中では、現在の先生のお仕事についてもお聞きすることができ、お話を通して、先生の誠実かつ楽しいお人柄にふれ、充実した夏の一夜となりました。
(ゆったりと楽しげにワイングラスを傾けるお姿には、鋭い文芸批評を展開なさった先生とは、また別の魅力がありました!)

写真:ワインを飲む先生