191.「バーナード・リーチ工房再建記念旅行参加報告」第79回面白白樺倶楽部開催報告

報告者

渡辺貞夫(白樺文学館副館長)
星 崇恵(白樺文学館ボランティアスタッフ)
田中宏子(白樺文学館ボランティアスタッフ)

期日

2008年5月13日(金)17時より

場所

当館コミュニティールーム

セント・アイヴス トロゲーナ・キャッスルホテル前にて
セント・アイヴス
トロゲーナ・キャッスルホテル前にて
参加者と出迎えの前市長、
永井添乗員、ガイド池本氏の皆さん
(掲載された地元新聞記者撮影)
クリックで拡大

このたび、バーナード・リーチが英国南西部セントアイビスに築造した工房が再建され、その竣工式が3月6日に行なわれました。リーチの孫ジョン氏と浜田庄司の孫浜田友緒氏によるテープカットも行なわれました。この再建を記念してさる4月12日から19日まで現地セント・アイヴスを訪問する旅行が催行され、幸いにも参加できましたので、簡単ながら報告させていただきます。

渡辺副館長
渡辺副館長
さて今回参加者21名と添乗員を含め一行22名は、成田から直行便でロンドンへ、市内ホテルで一泊ののち、当日おろしたての新品大型バスにて一路、セント・アイヴスに向けてスタートです。初日から一週間帰国するまでお世話になる現地の専門ガイド池本さんが紹介されました。すぐに始まった明解かつ詳細な説明は、旅の終わりまで実に見事な内容にて旅なれた参加者からも感嘆賞賛のささやきが聞かれるほどでありました。

温泉保養地 バース(Bath)
温泉保養地 バース(Bath)
クリックで拡大
3房の登り窯 1923年建造
3房の登り窯 1923年建造
クリックで拡大
再建後のリーチ工房(部分)
再建後のリーチ工房(部分)
クリックで拡大
ロンドン郊外のなだらかな丘陵地帯をへて、まずは古代ローマ時代から愛された保養地バース(Bath)、巨大遺跡のストーンヘンジを訪ねて大聖堂のまちソールズベリで一泊。翌日ようやくあこがれの目的地セント・アイヴスに到着しました。まずは新装改築なったバーナード・リーチ工房を見学。

1923年日本の松林鶴之助が現地にて設計、建築した3房の登り窯、陶土をこねるためパン屋さんより譲り受けたミキサー、リーチ自身の製作した蹴轆轤、浜田庄司が寝起きしていた屋根裏部屋など、当時のご苦労がしのばれる歴史的な記念品の数々を目の当たりにして深く感動、旅の疲れを忘れて見学いたしました。

リーチ愛用の蹴轆轤(けろくろ)
リーチ愛用の蹴轆轤(けろくろ)
クリックで拡大
浜田庄司の屋根裏作業室
浜田庄司の屋根裏作業室(1920年頃)
クリックで拡大
セント・アイヴス風景
セント・アイヴス風景
クリックで拡大
アルフレッド・ウォリスの作品
アルフレッド・ウォリスの作品
クリックで拡大
       

親友リーチ作成の陶板に覆われたウォリスのお墓
親友リーチ作成の陶板に
覆われたウォリスのお墓
クリックで拡大
翌日も風光明媚なセントアイヴスを愛した芸術家、アルフレッド・ウォリス(70歳から画家になった漁師)、女流彫刻家バーバラ・ヘップワーズ、小説家ヴァージニア・ウルフなどを紹介している美術館テイト・セントアイヴス、そしてバーナード・リーチの眠るお墓を訪ねました。一般の人々の場所から少し離れた共同墓地の片隅(バハイ教のため)にひっそりと眠っており、参加者一同しばしの黙祷をささげて参りました。

リーチの眠る花一杯の共同墓地
リーチの眠る花一杯の共同墓地
クリックで拡大
リーチの墓標
リーチの墓標
クリックで拡大

フィリップ・リーチさんと(左から5人目) 草彅八重子さん提供
フィリップ・リーチさんと(左から5人目)
草彅八重子さん提供
クリックで拡大
あこがれのセントアイヴス滞在の最後の夜、200キロも離れたデボン州ハートランドからリーチの孫(次男マイケルの長男)が、車でホテルへ駆けつけてくれるといううれしい再会(2006年秋我孫子市で講演)も忘れられない思い出となりました。

星さん
星さん

美しい港町を後に、コッツウォルズの田園風景を車窓から楽しみつつ、リーチにとっては忘れることの出来ない場所、ダーチントンへと向かいました。セント・アイヴスに工房を開いたもののしばらくは、作品も期待したほど売れず、5人の育ち盛りの子供を抱えた家族の生活は困難を極め、このままでは破産を招くほどの苦境に見舞われました。この苦境に大きな支援の手を差し伸べたのが、「ダーチントン・トラストハウス」に新しい芸術学校を開設し、そこの講師にリーチを迎え、苦境から救ったのがエルムハースト夫妻でありました。

エルムハースト夫妻
エルムハースト夫妻
クリックで拡大
リーチ一家 1926年
リーチ一家 1926年
(ダーチントンホール
トラストアーカイヴより)
クリックで拡大

ダーチントントラストホールにて
ダーチントントラストホールにて
クリックで拡大
またこの会場にて1952年には、リーチ、柳宗悦、浜田庄司と3人による「国際工藝家会議」を開催し大きな成功をおさめました。この記念の地で今回の旅行参加者一行の記念写真を撮影しました。

田中さん
田中さん
旅も後半に向かい、シェイクスピアの生誕地、ストラドフォード・アポンエイボン、大学の町オックスフォード、ロンドン市内でのヴィクトリア・アルバート美術館などを駆け足で見学、大英帝国という巨象の一部にふれた思いで、楽しくも有意義な旅を終えてかえりました。最後に今回旅行に参加の皆様、旅行催行関係の皆様、参加支援をいただいた佐野力館長に厚く御礼を申し上げ、簡単ながら報告といたします。
(渡辺 貞夫・星 崇恵・田中宏子)